- X68000 XVI Compact
- 初期のCompactにはADPCMに不具合があり、正常に発音されないケースがあるため、後のCompactにはADPCM PWB基板が取り付けられ、不具合が解消されたという経緯があります。
しかし、もはやメーカでの修理対応は不可能なため、当時の基板を忠実に再現、復刻版として作成し配布を開始しました。
このADPCM PWB基板が必要なケースの判別、実装方法などを解説します。
- 以下の基板写真を見比べるとわかるのですが、右側の基板には、中央下やや右にICの上に小基板が実装されています。
この基板がADPCM PWB基板で、これが実装されていない場合に、実装する必要があります。
なお、基板の中央には基板の版が刻印されており、これが0123(NV)となっているものが、旧基板(初期ロットと思われる基板)です。
ADPCM PWB基板が実装されている場合、これが0124(NV)となります。(新基板)
ただ、中古などで入手した場合に、新基板であっても ADPCM PWB基板が取り外されている可能性もあり、やはり実際に確認してみるしかないでしょう。
旧基板(0123)
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新基板(0124)
- なお、旧基板、新基板という呼称はこちらで勝手にそう呼んでいるだけで、正式な呼称ではありません。
- 実装にあたって、まず本体の分解、メイン基板の取り出しを行う必要があります。
メイン基板が取り出せたら、以下の手順に従って、実装を行ってください。
基板裏面 R23周辺
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R23を取り外した状態
- R23を取り外します。
おそらく経年劣化で抵抗が基板に貼り付いてしまっているケースが多いと思われるので、
取り外しは少々やっかいですが、上に新しいハンダを盛ったり、盛ったハンダをハンダ吸い取り線で吸い取ったり、再びハンダを盛ったりしつつ抵抗の両端のハンダを交互に溶かしているうちに外れると思います。
くれぐれも、無理にこじって基板のパターンをはがしてしまうことのないように、ゆっくりそこそこ時間をかけてやりましょう。
基板表
- IC30,31,28,29の上に両面テープなどで基板を取り付けます。
なお、念のため、テープがICの足に当たらないようにした方が良いでしょう。
基板表
- IC30の18と書いてある部分の左の穴から、緑、白の電線を基板裏面に通します。
基板裏 R23周辺
- R23のあった場所に、緑、白の電線をハンダ付けします。
この時基板の向きをよく確認して配線が逆にならないように注意しましょう。
基板表
- C307と書かれている部分に、黒、赤の電線をハンダ付けします。
この時基板の向きをよく確認して配線が逆にならないように注意しましょう。
ホットボンドによる固定例
- ホットボンドなどで基板を完全に固定します。
- 以上で実装は完了です。
組み立て前にテスタなどで配線が正しいか、ショートしてないかなどを確認するとよいでしょう。